職場内でのハラスメントは、企業の業績や社員のモチベーションに悪影響を与えるだけでなく、訴訟リスクを伴い、企業の社会的信用を失う危険性もあります。
本記事では職場におけるハラスメント対策について詳しく解説します。

職場でハラスメント行為が発覚したときのリスクと対策

職場でハラスメント行為が発覚した場合、会社には「使用者責任」が問われるリスクがあります。
使用者責任とは、従業員が行った不法行為について、会社やその管理者が責任を負うことを指します。
職場でのハラスメント行為を未然に防ぎ、適切に対応するためには、以下のような対策が有効です。

ハラスメント対策①周知・啓発活動の実施

まず、ハラスメント行為がどのようなものかを従業員全体に周知することが重要です。
セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなど、具体的な事例をあげることで理解を深めます。
また、就業規則にハラスメント行為に対する会社の対応方針を明記することも有効です。
たとえば、ハラスメントが発覚した場合の処分内容や再発防止策を明文化することで、従業員に行動規範を示し、抑止力を高められます。

ハラスメント対策②相談窓口の設置

ハラスメントを未然に防ぎ、被害を受けた従業員をサポートするためには、相談窓口の設置が必要です。
相談窓口を設けることで、従業員が悩みを抱えたままの状態を防ぎます。
さらに、相談窓口の存在を社内に広く周知することも重要です。
2022年からは中小企業でも相談窓口の設置が義務化されており、これを機に相談体制を見直す企業も増えています。
相談窓口の運営にはプライバシーに配慮しつつ、迅速に問題を解決する体制を整えることが求められます。

ハラスメント対策③事前の対応方針の策定

ハラスメントが発覚した場合の具体的な対応方針を決めておくことも、リスク軽減に繋がります。
たとえば、対応マニュアルを作成し、管理職や上司にその内容を周知することで、迅速かつ適切な対応が可能になります。
さらに、管理職向けのセミナーを開催し、ハラスメント問題への理解を深めてもらうことも効果的です。
会社として、問題発覚時の使用者責任を十分に認識し、マニュアルに則った行動の徹底が、信頼される企業の構築につながります。

まとめ

今回は、職場におけるハラスメント対策について解説しました。
ハラスメントが発生すると、従業員の士気や企業の信用に深刻な影響を与えます。
企業はハラスメントに対する明確な方針を打ち出し、適切な社内体制を構築して迅速かつ公正な対応が必要です。
職場でのハラスメント対策を検討する際は、弁護士に相談することをおすすめします。