不採算事業を手放すことは企業の資源を効率的に活用し、収益性を回復させるための有力な手段です。
本記事では、不採算事業を手放す方法について解説します。

不採算事業を手放す方法

不採算事業とは、収入より支出が多く、利益が出ない事業のことです。
不採算事業を手放す方法はいくつかあります。
どの方法を選択するかは、事業の規模や企業の状況によって異なります。
主な方法としては、以下の通りです。

事業売却

もっとも一般的な方法は事業の売却です。
事業売却は、企業が所有する事業の一部またはすべてを第三者に売却する方法で、得られた資金を活用したり、経営資源を特定の分野に集中させたりできます。
売却後も経営権を一部保持できる場合があるほか、買い手は必要な資産だけを引き継ぎ、不必要な資産や負債を引き継ぐことはありません。

事業の閉鎖

不採算事業を完全に閉鎖することも選択肢になります。
一般的には「会社を畳む」という表現で知られています。
閉鎖は、事業の売却が難しい場合や再生の見込みがないと判断された場合に適した選択肢です。
ただし、事業の閉鎖には従業員の退職手当や設備の処分、契約解除など、多くの事務手続きが伴うため、法的手続きや債務の清算なども含めて慎重に進める必要があります。

不採算事業を手放す際の注意点

不採算事業を手放す際には、慎重な計画と適切な対応が必要です。
まず、従業員の雇用に与える影響を十分に考慮します。
事業撤退によって雇用が失われる場合、退職手当の支給や再就職支援など従業員に対する支援策を講じることが重要です。
次に、取引先や顧客との契約についての整理も欠かせません。
契約内容を見直し、必要に応じて適切な調整を行うことで、事業撤退後のトラブルを未然に防げます。
また、事業売却を行う場合には、売却契約書の内容を十分に精査し、事後の責任範囲を明確にしておくと良いです。
さらに、撤退や売却が企業全体のイメージやブランドに悪影響を及ぼさないよう、戦略的に対応することも大切です。
これらの配慮を怠ると、顧客や市場からの信頼を損ねる可能性があります。
不採算事業の整理は、経営資源を効率的に活用するための重要なステップですが、成功には丁寧かつ慎重な対応が不可欠です。

まとめ

今回は、不採算事業を手放す方法と留意点について解説しました。
適切な方法を選び慎重に進めることで、企業は無駄なコストを削減し、資源をより収益性の高い分野に集中できます。
従業員の解雇や処分といった留意すべき課題もあるため、弁護士に相談することをおすすめします。